田舎暮らしというアイディアの受け入れ方

はじめに

夢の田舎暮らしでスローライフを手に入れました、自分で育てた農作物とご近所さんに頂く農作物で自給自足の田舎暮らしを実現しています、など、都会から田舎に移住した成功体験を耳にする機会は多い。都会には何かと喧騒が多く、快適便利な暮らしの裏側には絶えない苦労に苦しむ人も少なからずいる。あくせくしていて時間の流れは忙しなく、美味しい空気を吸うことなど皆無、住むマンションの住人同士の触れ合いもなく、クールでドライな生活が流れていく。そんな暮らしを続けていれば、ゆっくりと時間が流れる田舎で、美しい山々に囲まれた地で美味しい空気を吸いながら、自分たちの育てた農作物を食べ、人の温かさを感じながら生活する田舎暮らしに憧れるのは、ごく自然なことだとも言える。好きな環境は人それぞれだが、誰でも心穏やかに過ごしたいのだ。
さて、このように考えたからといって、「よし、じゃあ今の都会暮らしを投げ捨てて田舎に移住しよう」と実行に移すのは、大変に無謀だと言える。少し考えればわかることだが、都会の暮らしと田舎の暮らしはあまりにも違う。

農業でもしますか?

まず、1つ立ちはだかる大きな壁は、仕事である。都会の仕事を続けたまま田舎に移住するのは、ほぼ無理といってよい。パソコン1つで全ての仕事が出来るのであれば可能かもしれないが、そのような人は稀であろう。大方の人は仕事を辞めて田舎に移住して来ることになる。では、田舎では仕事はどうするのか。
農業をすると決めて移住してきたとしよう。農地に一軒家がついた物件を確保したとして、移住していきなり農業を始められるだろうか。そもそも、その土地ではどのような作物が栽培されているのか、何を作るのに適した気候なのか、土はどのような性質なのか。実際作業を始めるとして、農機具はどうするのか、どのくらいの収穫が見込めるのか、それで自給したり販売したりして生計が立てていけるのか。こういったことを把握しておかなければ、農業で生活を支えていったり、自分たちの食べる分を確保していったりすることは困難である。いざ栽培してみたは良いが、土地が痩せていて上手く育たなかったり、育ちはしたが収穫量が予定通り確保出来なかったり、順調に育っていたのにシカやイノシシにやられてしまったり、と対策しておくべきことも多い。これらに対応するには、入念な下準備が必要であるから、住むと決めた土地に何度も足を運び、住んでおられる住民の方々から情報を収集して、必要なものを取り揃えておかねばならない。当たり前だが、相当な手間と時間を要するのだ。都会の暮らしを続けながら、この下準備に時間を割いてもなお、あなたは田舎暮らしを実現したいと思うだろうか。
では、それは嫌だとして、住んでいる田舎から通える会社を見つけるのだとすれば、住まいから遠く離れた会社に毎日通うためにわざわざ便利な通勤と住まいを捨てて田舎暮らしをする必要はあるだろうか。答えはノーだろう。

田舎での人付き合い

立ちはだかるもう1つの壁は、人付き合いである。言ってみれば、仕事や下準備などは自分が頑張れば何とか解決の道が見えてくる問題である。しかし、人付き合いだけはそうはいかない。田舎に住んでいる人々は、気立ても良く人が良いというイメージがある。それは何も間違いではないだろう。田舎を旅行したりして触れ合った地元の方々が優しくて、こんな素敵なところに住みたくなった、などという話はよく聞く。だが、そこに住むとなると話は変わってくる。
田舎ということは住んでいる人が限られていて、お互い勝手知ったる仲である場合が多々あり、実に閉鎖的なコミュニティが作られている。そこによそ者であるあなたが、すっと溶け込めるだろうか。とにかくコミュニケーション力には自信がある、日常的に田舎の人とは接している、生まれが田舎だから勝手がわかっている、などという人は別である。都会の暮らしに慣れ親しんだ人に、それが可能だろうか。マンションに住んでいて近隣の人の顔も名前も良く知らない、自分の所属している会社や仲間内以外の人とは挨拶程度のコミュニケーションしかとらないなどという人は、見ず知らずのご近所さんたちに溶け込んでいけるだろうか。これは相当難しい。都会ならばそうでも構わないが、田舎ではコミュニティに入っていけなければ、文字通り村八分である。知らない土地で生活するのに、ご近所さんたちの助言や触れ合いなしに生きていくことは出来ないといってもいい。
また、田舎には地域特有の風習や慣習みたいなものも存在する。行事やしきたりのようなものもあるだろうし、人間関係の面でもそういったことがある。その村では誰が偉いから顔を立てないといけないとか、誰と誰が血縁関係にあるとか、挨拶回りの順序さえ存在するかもしれない。閉鎖的であるということは、そういう面がありえるということなのだ。その行事やしきたり、人間関係を無視した言動をとればどうなるか、結果は容易に想像出来るだろう。よそ者のままコミュニティに入れて貰えない、村八分である。
村八分になったまま、その地に住み続けることは大変だろう。よほど無神経な人か、心臓に毛が生え倒しているような人でなければ、人の少ない田舎で人と繋がりを持てないという針のむしろには座り続けられない。夢の田舎暮らしを求めて移住をしたが、程なく都会に戻って来たなどという話の裏には、こういった事情も少なからず存在する。

方法はシンプル

では、どうすれば良いのだろう。何も、田舎が魔窟であったり、田舎に住んでいる人々が鬼であったりするのではない。都会の人々よりも大らかで純粋であるだろう。要は、新しく移住していく人たちの問題なのである。移住していく人たちは、まさに新参者以外の何者でもなく、文字通り右も左もわからない。そうした場合にどうするか、近隣の人達を頼るしかない。何もわからないのだから、わかる人に教えて貰うほかない。実にシンプルである。
シンプルであるがゆえに、教わる姿勢、態度はダイレクトに相手に伝わるから気をつけなくてはならない。横柄な態度をとるなど論外、教えて頂くという慎ましい姿勢で丁寧な言葉遣いをする、教えて貰えたらきちんとお礼を欠かさない、礼節を弁えた態度で臨む必要があるだろう。あざとく下手に出るような態度はかえって逆効果だろう。田舎の人達はまっすぐ人を見る目に長けていると考えた方がよい。誠実な態度で接していれば、相手がそれを汲み取って打ち解けてくれるはずである。コミュニケーションがとれるようになれば、田舎にはないものの話題を提供してみるのも良いかもしれない。興味を示してくれれば、より親密になるきっかけづくりになる。

まとめ

こう読んでくると、別に特別なことは何もないじゃないかと感じるだろう。そうなのである。こちらも人間なら、向こうも人間。移住などと言っても、結局は人付き合いでしかない。あなたが見知らぬ人と初めて友達になる場合のように、真っ新の状態で相手に接する以外の方法などないのである。変に、都会で身に着けてきた方法論を持ち込もうとしたり、田舎だから普通と違うと身構えたりすることで、素の状態からかけ離れた自分を相手に接しさせてしまうのである。田舎暮らしは人付き合いから、そう肝に銘じて移住を考えると、少しはやっていけそうかどうか指針が立つかもしれない。自信がもてないという人は、まず都会で人付き合いを鍛えるところから初めるのが賢明だろう。

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